FXの中に身を置きながら仕事とトレードの配分というのはあまり一定ではない。まったくチャートを見ずに過ごす時もあれば、ちょこちょこ見ては思い出したようにトレードする時もある。そんな中でひさしぶりに一か月を通じて日常的にトレードをしたのでその振り返りをしてみることにする。
最終損益はpips換算で+718pipsとなった。
ビッグトレードといえるほどのものはなかったが、100pips前後のトレードと30~50pips程度のトレードの積み増しによっての累積となる。
pipsで語るのは建玉を分割すればいくらでも調整できてしまうところなので、トレード能力を語る上ではツッコミやすいところもあるが、これは単なる自己評価なのでまるで関係のないことだ。
自分にとって重要なことはひと月を通じて利益を守ることができたかという点である。
いいトレードをして調子に乗る、あるいは気持ちが前のめりになっていらぬトレードをすると、せっかく積み上げた利益も目減りしたり最悪の場合はマイ転してしまうこともある。
FXというのはある程度経験を積むと、勝ちトレードを得るということは存外難しくはなくなってくる。
それよりも得たものを失わないようにすること、すなわち負けないことの方が難しいと思う。
自分のトレードの欠点としては、チャート上の値動きに対して近視眼的になって広く考えることができなくなることがある。
そういった事態に陥ると、小さな押し戻りの中でトレードしようとしたり、逆に決済位置を厳しく見てしまって適切なトレードができなくなるばかりか、ストップを損失拡大方向へ逃がしてしまって結果的に損切ができずに大きな損失を被ることがある。
こうした悪い状態にならないように、ルール通りのトレードや分析結果に対する慎重な判断を常に心がけることが求められる。
そういった意味では今月は、この積み上げた数字を大きく損なうことなく終了できたので自分としては一つの壁を超えたような思いだ。
過去に900pipsくらいまで積み上げたのに月末になったら150pipsで終了していたなんてことがあった。このような経験が何度もあって、自分に課した課題として月末まで順当に利益を守り続けられなければ、ロット引き上げていくことはできないと考えていたのである。
もちろんいいことばかりではなかった。
トレードチャンスの見逃しが、覚えているだけで3つほどはあった。この3つのチャンスに適切にエントリーできていれば、1000pipsは超えていたと思われる。
また直近の波を取る意識が弱まって、もう一つ先のラインまで利益確定ポイントを差したために建値で決済になることもあった。
幸いなことに建値で決済することによって損失を被るような事態を防げたことが2~3回あったので、利益を守るという点、およびチャートの変化に応じてストップを建値にずらす判断が適切にできていたことも喜ぶべき事実であった。
またトランプ関税に伴う相場の動き、ウクライナ情勢に絡んだ動き、国内の参院選等、相場を動かす大きなエネルギーを持った要因がたくさんあったが、チャートはすべての事象を織り込んでいるという結論は改めて信用に足る真理だと思った。
どこまで上がるか、どこまで下がるか分からないというのはチャートの分析不足と考えているので、後から分かったということも多々あるがチャートの示す価格はおおむね納得できる結果となっていた。
細かく考えていくと、買い場と売り場となるところの判断は8割がたできていたと思う。
つまりエントリーした瞬間から大きく逆行したことはなく、またエントリーできそうだと思ったポイントからのその後の値動きを見ても、同様だった。
それ以上に、どうなるか分からないので様子見していたというチャートも実際揉み合っていたり、想定外の動きをした部分もあったので、エントリー可否の判断自体は上々だった。
チャンスで実際にエントリーできなかった要因を探っていくのがまた大変なところではあるのだが…。
下記は絶好のチャンスを逃したものの例である。


チャネル上限でWトップとなっての下落である。一つ目の赤丸部ではディセンディングトライアングルの形として非常にきれいだったが、青四角部の下ヒゲが気になっていたことと、トランプ関税等を受けて基本的にはドル売りという見立てが邪魔してしまって、売る決心がつかなかったものだ、リスクリワード的に考えるならぜひとも売り仕掛けをしたかった点だが、チャネル底も近くて足踏みしてしまったトレードとなった。
2つ目の赤丸部は、黒チャネル下抜けの甘さが気になって、チャネル内に復帰するのではと思ってしまった。タイミング的にじっくり見れていなかったこともあるが、120maのデッドクロス状態や直近の波の形を見てそれを信じていくべき場面だった。
売れるポイントであるという判断を邪魔したのは、交錯するラインに対する反応を適切に処理できなかったことにあると思う。行き先に迷ったときはmaを信じていけばよいということを改めて感じたチャート進行だった。そしてリスクリワードを考えた時にそこは本当に足踏みしてしまうことを恐れるべき場面なのかということも考える必要がある。世論の声、世間の雰囲気に流されることなくチャートの示す事実によってのみ、得られる信頼というものがある。そのことを改めて思い知らされた形となった。
またトレンドライン際の見極めという点ではユロドルもその見方に苦労したペアだった。

赤トレンドライン、黒トレンドライン、緑トレンドラインが交錯しており、様子見中心で見ていたペアだ。

一つ目の赤丸は三尊系と見ていて売れそうだと思ったものの、トレラン絡みの中で、20maが120maの上にいたことから決心がつかなかった。120ma自体はema/smaのデッドクロスが出ており売り圧力の強さを意識してみるのがよかった。同時にこの三尊位置の高さはフィボ的には76.4%戻りを超えており、通常なら見送る判断をしていた場面であった。実際にはハーモニック系でここからの下落とその後のハーモニックターンを見てこれがハーモニックで見るべき場面だと気づいたので、欧州系はハーモニックを意識するという頭の切り替えがうまくできていなかったと思う。
2つ目の赤〇部はネックラインへのリテストからの戻り売りポイントだが、20maへのタッチ待ちを優先していたので乗るに乗れなかった。1時間足に落としてエントリーすべき場面だったと反省している。
今月全体としては20maへのタッチを一つの根拠として保持していたのでそのルールに基づいた判断を継続できていたことは間違いないが、そのためにエントリーできるポイントを逃す場面もあった。
4H20maもしくは1H20maへの反応を見てトレードするように心がけたいと思った。
同時にトレンドライン絡みの判断の仕方も課題だと思った。波形トレーダーを名乗るにあたってはやはり波の形を強く意識したい。優先されるものが何なのかということについてもう一つ深い分析ができるようになりたい。
上記のような大きな波に乗れなくとも700pipsで終了することはできるということは自信につながる結果だ。またチャート通りに価格は進行しているという思いも新たにした。チャートを読み解く精度の向上に当たっては、雑音を切り離すということや、ラインだらけのチャートを一度リセットしてみるということも大事かなと思ったので、8月以降はそうした点についても意識していきたいと思う。

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