認知的不協和という話

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ハーモニック型黒チャネル内の赤Wトップからのショートが成り立たず黄色Wボトムからの巻き返しにて損切になったトレードがある。
敗因としては赤切り上げラインが引けていなかったことにある。上位の週足レベルのラインなのでこのようなラインが入ると、チャートパターンや1波3波のエネルギーが吸収されてしまうのである。
トレードとしてはハーモニック系の展開を期待してさらに安値更新をしていくと期待していた部分であるが、成り行きでの損切ができたはずの場面でもあった。
赤wトップの値幅が届かずネックラインへ一旦戻りが入っているのだが直近の黒チャネル内では安値更新していてトレンドが崩れていない場面であることからこのリテストからの再度の下落で安値更新していくと思っていた。
事実、少しだけ安値更新したことによりトレンドが確定していたのだが、上位のネックラインが見えていなかったので決済すべきサインを見逃すことになったのだった。
問題はその後で、黄色のwボトム(アダム&イブ型)が見えていたら即座に利益確定するか損切りを試みるべきところである。特にイブ側からの反転で大きな陽線で短期MA超えたところである。
ここを超えると上位のMA群に一旦抑え込まれて下落する想定ができる。そこからの下落は短期EMA短期SMAがGCしている状況では下抜けは期待薄でここへの押し目になるところまで読める。これが読めると3波の到達が見える。
従って未来の過大な損失を測ることができる。ここの陽線1つでそこまで想定できるのだ。

そしてこの時に起こったことをつぶさに観察すると、表題のテーマにつながる。
このWボトムが見えていたにも関わらず損切りできなかったことの原因は認知的不協和によるものなのかもしれなかった。

認知的不協和は、自分の考えと矛盾する新たな証拠が出てきたときに起こる。自分の考えやアイデアや価値観と矛盾する事実に直面すると、人はその矛盾を解消して不快感を減らそうとする。
Wボトムを無視したというより、そういったチャート形成が意味するものは、明らかに下落を想定している中では正反対のアイデアてあり同時に信頼性の高いWトップWボトムというチャート形成だっため、認知的不協和が発生したと思われる。
矛盾を解消するために、おそらく無意識的に実行されたのはチャート認識を薄くするということだった。仕事の忙しさや疲れによる集中力の欠如などを直接の理由に据えて、実のところは、明らかな反転のシグナルを見なかったことにしようとしたのではないかと思う。
実際にチャートは何度も見ていたので見なかったことにはならないが、今ある形から受けるシグナルを軽んじるためにその印象が薄くなっていたと思う。
だからそのシグナルを見落としたとか、読み取れなかったという結論に繋がる。
真実はシグナルを見落とすようにチャートの印象を薄めて、半ば見なかったことにして下落シナリオが矛盾することのないようにせしめたのだと思われる。

教訓は、チャートの印象が薄くなったと感じたら何かを見落とすようにさせられている。すなわち今のシナリオを覆すアイデアがチャートに生まれたのではないかという疑いを持たねばならない。

そしてその矛盾が明らかになった場合、手仕舞うことである。昨日までの考えや明日の想定は排除して、今この時のトレードに集中すれば手仕舞うことができる。
過去の損失やそれまでのアイデア、あるいは未来に手にするはずだった掴みどころのない利益は一切合切忘れることが唯一の合理的判断を下すことに繋がる。それが近道だ。

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