『12月終盤の日銀利上げ観測に絡む織り込み済み感VSテクニカル分析』
最初に踏まえておきたいことは、「自分はテクニカル型」だが、今回はファンダに寄りすぎた結果、波形のスケールと位相を誤認したトレードになったということだ。
まずはトレード結果画像
ドル円
仕掛け:売り
エントリー根拠:青波3波分未達状況と黒水平線と赤斜線によるディセンディングトライアングルのような形状認識。また週足の切り下げラインへのリテストを見込んだもの。
売り仕掛けをかけた背景として、まずは日銀の利上げ観測がほぼ確実視されていたことが上げられる。日米金利差からの円買い目線だ。また自分の情報収集の範囲では中・長期的には円安方向という見方があった。
自分自身でも円安になるだろうという見込みがあったが、そのためには土台作りが必要になるとの考えがあった。すなわちいい押し目である。
この赤切り下げラインへの押し目を作ってからの上昇というような形づくりを想定していた。
合わせて影響を受けているトレーダーも同じ目線であったことが結果的に自分自身の指針を持たないトレードとなってしまったと反省する。
実際のところはどのようにトレードしていくのが正しかったのかと考えると、やはり自分は完全なテクニカルトレーダーだという自覚を再認識するところからだと思った。
今回のトレードに関しては事前情報が非常に多く自分の中に入ってきた。
尊敬している他トレーダーの目線は円買い→実際はそのトレーダーも途中で目線を完全に切り替えていた。
利上げ確実視と金利差による円買い→実際はほぼ100%に近い織り込みでショートカバーが入った。ファンダ要素として捉えるなら織り込み度を数値化できなければ利用できない。
これは以前書いた記事にもつながる話だ。
またテクニカル分析として、自分の中で有効かどうかを検証中の線の引き方があり、今回はそのラインが裏目に出たような形でもあった。
日足レベルの赤切り上げラインである。これはトレンドラインではなく、重要なラインをブレイクしたところに当てるブレイクラインである。
このブレイクラインへのリテストや抜け方を分析に加えるということを検証していた。実際問題ラインへの反応は見られたが、それをトレードエントリーに活かすことを考えると難しいと感じた。
線を増やすことは判断要素を増やすことになる。自分としてはやはりシンプルに見る方が合っていると感じた。
そしてディセンディングトライアングルという認識と週足切り下げラインの関係である。
いわゆる中盤の形として見られるトライアングルを天井圏に見てしまったことは実にナンセンスだった。また週足へのリテストについては、トライアングルを原動力に見たことでその到達予測を早計にしてしまった。
この到達予測というのは、だいたい「自分が思っているよりも遅れて到達する」というのが自分の中の相場観なのだが、今回は色々な要素からこの考えが薄らいでしまった。
改めて分析しなおすと、赤ブレイクラインは不要なので削除する。週足レベルの切り下げラインに対抗するラインとしては、日足週足のレジサポラインである黒水平線の優位性の認識である。
この黒水平線にたいするWボトムをイメージする方がディセンディングよりはいい。ボトムは底値圏で現れる反転の形なのでこの天井圏での出現は週足ラインに対するリテストの流れにおける日足下降トレンドの終焉を示唆する。
たとえばディセンディングがアセンディングであればこの目線の取り方は容易だったように思う。またディセンディングの形の規模としてはこの画面の範囲にあるダウントレンドのサイズとはかなりスケールが異なる。
これは違和感を持つべきサイズの違いである。
また黒トレンドラインの代わりに青トレンドラインを引いた。最近はこうした中盤のトレンドラインの効用について考えることが多い。本来の天井から引かれるトレンドラインよりも機能する場面として記憶したい。
これは1波の起点、すなわち直前の5波の在り方からこの起点の取り扱い方が変わるというのが今の自分の中の仮説だ。5波が急伸したような形の時はそこに生まれるギャップが修正される必要がある。
その修正された波がおそらくトレンドの中盤を担っているのでこの波を主軸に捉えるといった考え方だ。ブレイクラインより検証の価値があるのではないか。
また上位のラインがある時にトレンド未達となった場合の修正方法としては、ヒゲではなく実体で観測する方法が優位だ。
今回の場合はピンクの3波が適正だと判断できる。1波はヒゲではなく実体の揃った所で当てているがここが、明星であったことも重ねられるべき根拠になる。
この3波で見た時に上位のラインに到達しているならばトレンドは達成されたと見ることも必要だと考える。上位のラインがなく、ヒゲ分でも実体分でも未達ならもう一押しあると考えられる。
次にこの波がラス押しを超えたかどうかという考えでも目線の転換は可能だ。
青水平線と緑水平線がそうだ。抜け具合が弱くとも実体で抜けている場合は、次の上のラインを目指すという考えも片隅に持つべきだった。
特に実体で抜けるにしても数本そこでキープしているならなおさらだ。これだけでは判断に迷うところではあるので他の要素と組み合わせて考えたい。
直接のエントリーについては緑水平線上抜けからのリテストと緑〇の短期MAと中期MAのゴールデンクロスを見て水色四角部から乗り込むのが正しい。
実際、損切ポイントはこの高値においていたので最後の目線切り替えのポイントにもなる場面だ。
これらは終わったあとからいえる結果論だし容易な分析とも思わないが、ファンダメンタルズというものを無視した過去検証の延長戦にあるものの捉え方として、つまり自分本来のトレードスタイルそのものであった。
こういう経験をするとやはり自分は生粋のテクニカルトレーダーだと思うほかないのである。
もちろん不用意なリスクにさらされることにはなるので、必要最低限度のボリュームに絞ってイベント日程を把握するくらいはしておくべきと思うものでもある。
イベント発表時のMAとローソク足の乖離率も意外と利かせられるもので、発表時に乖離していたら乖離埋め、接していたら乖離方向に動くようなことが多い。
テクニカル7~8割に対してファンダメンタルズは2~3割程度が自分の理想バランスだと思う。今回は5:5か4:6くらいに比重がファンダメンタルズに偏っていたと感じる。
ユロ円では青ペナント上抜けによるトレンド継続から天井圏を示す三尊発生から、三尊崩れの上昇という場面になっていた。
感覚的にこの位置のこの規模のペナント上抜けですぐに三尊が出てきたことは懐疑的にならざるを得なかった場面でもあった。三尊の安値側の切り下げが甘いことも理由になる。
売りを考えると赤水平線下抜け後に短期MAへのリテストをつけて、ここで陰線が出なければ売ることができない。
実際の流れの中では三尊の肩のラインを上抜けして、そのラインへのリテストを見てから水色四角部から乗り込むのが適正であると考える。
狙いどころは黒チャネルをMaxとしつつ、ペナント抜けを1波とした時の等倍分となる黒水平線が有力だと考える。
ここは青チャネルと緑チャネルの上限を超えるもので、買いで入ることも難しく感じる場面だ。
しかしペナント抜けの3波が完成していないこと、三尊の形状不良と三尊崩しの流れを踏まえて、短期MAのゴールデンクロスも見て入るのがいいと考えるべきだ。
ストップは2波底となるが、青チャネル上限での当たり方を見て成り行きで損切することも選択肢であるということを考えると期待値は大きいのかなと思った。
この青チャネル自体はペナントを原動力としていることから、中期緑MAへのリテストつけた上でのトレンド継続であることを踏まえて優位性は低めに見積もってよいと考える。
ポン円は赤いラインで見る通りウォルフ波動の形成中とみていた。
実際は2-4ラインでサポートされており、上抜け後のリテストからの押し目買いが適正だったと言える。
ウォルフも1-3ラインとして取れる所が複数あり、Wトップを1波とする波が2-4ラインを下抜けしなかったことはネガティブ要素として大きく捉える場面だ。
Wトップ否定なのでその下落幅の等倍反転位置が狙いどころとなり、ちょうど終値がその位置なので見方としては悪くない捉え方だと思う。
ウォルフ否定時の流れ、その汲み取り方を模索する機会はあまりないのでよい経験となった。
売りを考えるならば、Wトップからの3波が2-4ラインを下抜けるのを待って、中期MA等へリテストをつけたら売り込むのがベター案かと考える。
そうした想定が否定されたら、つまり買いで入るとしたらやはり直近のトレンドを確認してトレンド継続を信じるということが基本のキと言える。
今回年末に近づく中で月足や年足のでき方も意識しながらの中で、オフシーズンになりボラリティの変化も踏まえてトレードすることが求められていた。
参加者が少ない分投機筋のエネルギーが反映されやすく、カバーが入ると大きく動きやすいということが見られた相場だったと思う。
またそれらの警戒感から情報を集めようとする意識が働いてファンダ要素重視のトレードになってしまったと考える。
自分の理想とするトレードとは程遠く、また自分がまけるときの典型的なトレードであったとも思う。
目線の切り替えもできずに売り一辺倒になっていなかったかとか、チャートだけで考えたらどうなるかといった冷静さを考えるいい機会であった。
だいたい情報を多く取り入れすぎたりすると途端に弱くなるのである。よい振り返りができたと思う。
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