トレードする通貨ペアの取捨選択

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似たような値動きで進行する複数の通貨ペア監視環境下において、どれかを選ぶべきか、すべて選ぶべきかというのはトレーダーの志向によるところだと思う。
自分でも過去同時多発的に仕掛けたことがあるが、それだと個々のリスクマネジメントが全体的トレードによってリスク分散できているとの考えから疎かになりがちだと思いいたるようになった。
個別のリスクについて正確に自分で把握した上での同時トレードは問題ないが、リスク分散という言葉を隠れ蓑にして個々のリスクを正確に把握できないのは問題となる。


上記はユロ円の4H足で、緑〇部からのロング場面である。

推移としては青水平線部のサポートを受けての上昇で、買い場の探りとしてまずは赤切り下げラインを引いた。
このラインの上抜けを待つと水色BOXの値動きが観測されたが、抜け方に勢いがつかず横揉みとなったのでこの時点では様子見となる。
元々トレード履歴では売りをかけていたところでもあるので、ここからのロングは自分の選択肢にはなかった。
売り側が青水平線の抵抗を突破できなかったので、売り目線は一旦終了となり、ショートも決済されている。
こうなると今度は買い場探し、となるのでピンク切り下げラインを引いてみると、緑BOXの値動きとなった。
この場合上ヒゲ抜けで実体はライン下に抑え込まれていたので、ここも様子見となり、このヒゲに対して黒切り下げラインを引いて観察続行となる。
そうすると黄色BOXの値動きとなった。
切り下げラインの上で抜け戻りが入って、短期MAに寄り付いたことを確認し、緑〇部からのロングとなる。
この際、決済目標はどこになるかというと基本的には直近高値付近となるので、緑水平線もしくは黒水平線が目安となる。
損切りはどこに置くかというと緑BOXの下か黄色BOXの下に置くことになる。黄色BOXを上抜けすると短期的に上昇トレンドが確定するのでその時点でストップの位置を緑BOXから黄色BOXに移動する。
この損切位置の決め方としては教科書的には青水平線のしたか緑BOXの下に置くのが正当だが、ラインやMAを使いながら見ていると、候補位置がさらに見えてくるようになる。
そもそもとしてライン抜けの勢いが弱い時にも関わらずエントリーしたとすると、直近安値では損切にかかるおそれがある。
青BOXや緑BOXの抜け戻りの動きを見るとそれが顕著である。
そういったはらみの値動きを様子見することで、全体のリスクをさらに小さくすることができるのが黄色BOXの値動きを待つ目的である。
確実な突き抜けと明確なサポートの作用を待つということである。

上記は同じ日、同じ時間帯のポン円である。

ユロ円と同じくして観察していたものでエントリーポイントとしては緑〇部であるが、こちらは見送ったものだ。
青水平線が比較的に強く作用しており、ユロ円の横揉み具合よりもより明確さが際だっっていると感じていた。
黄色BOXの抜け戻りで短期MAの上に戻ってきたことを確認してからのロング場面となるが、こちらはリスクリワードを考えると決済目標が近いと思った。
まず青水平線を上抜けする動きを期待したところで、その上には赤線で示すようなWトップ三尊のネックラインが見えていた。
順当に上昇すれば赤水平線まで狙いたいところであるが、週半ばのエントリーとして週末持ち越しをしない前提でそこまで達するかというと疑問であった。
ネックラインがあれば押し戻りの動きが入るのが常であるから、その揉み合いが週末までに完了するかは微妙なところで全体として横揉みで終わりそうなイメージだった。
週明けでさらに保持していれば達したかもしれないが、長期間の保有や週末の変動リスクを勘案すると、そこまでリスクを増大させてまで取るべきトレードではないと判断した。
よって未トレードである。
ポン円とユロ円はどちらも似たような値動きで、以前なら両方ともエントリーしていたが、最近はよりリスクを細かく分析するようにしたため、ユロ円のみの仕掛けとなった。
結果的に100pips程度の利益となったことと、リスクリワード的にもユロ円は入りやすい形だったのでその取捨選択によりノンストレスだった。

このような形でどちらも最終的にマイ転することはなく想定通りの値動きとなって、その中でも利益を得られるとした場合でも、個別のリスク分析によって、一つ一つのトレードの質を高めることができる。
この高められた質が良いトレードの蓄積となる。
どんな形でも利益に繋がるならそれが正義だとするのは、相場に内在するリスクの輪郭をぼやけさせるものである。
そして値動きの分析が乱雑になり予測ができなくなる。

チャートに希望は持ち込めないが予測することが悪いわけではない。
分析した上での値動きの予測と実際の観測結果の比較は重要だ。上記のような、比較分析を踏まえたトレードの質を高めることに繋がるからだ。
希望とは感情的な夢の姿だ。
そこに理路整然とした理屈はなく、未確定の利益を期待するという欲望がトレーダーを盲目にさせるリスクになる。
分析することによって得られるリスク、(ポン円の決済目標の近さとリスクリワードの悪さ等)
これは将来の損失を避けるということと、長時間の保有の割に値動きが跳ねず気を揉むといった精神的な負担リスクを回避するための口実になる。

そこにある抵抗から目を背けて未確定の利益を期待するのか、そこにある抵抗を組み込んで未確定の損失を未然に防ぐのかの違いが希望と分析の間にある境界だと考える。
損失を被ることを恐怖することが時にトレードを阻害する要素にもなるがそれは別のテーマとして存在するのでこの場では割愛する。

希望とは何か、分析とは何か。
そんな一言の問いかけにも答えは必要だ。
それが自らに内在するトレード意識に影響を及ぼす。思考は具現化してトレード結果に現れる。

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