チャートにおけるフラクタル構造の矛盾

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フラクタル構造とはある図形の一部を取っても全体と同じ構造になっているとする幾何学の概念である。別の言葉で言えば自己相似性という。FXにおけるフラクタル構造の説明では、例えば日足に現れるNの波動が1時間足にも表れるなどと説明されている。だからその下位足からエントリーすれば日足の大きなトレンドに乗っていけるという。

これを安易にそのまま受け入れることを私は拒絶する。フラクタル構造は幾何学的概念であってチャート上の概念ではない。チャートの中に同じような形の波が上位足と下位足に現れることは確かだが、チャートには幾何学にはないものがある。時間の概念だ。そして短期のローソク足がいくつも集まって1つの長期のローソク足を形成するというチャートの真理だ。

この因果を無視してはならないと考える。

上位足が下位足を示唆するのではない。それまでの値動きが今後の値動きを示唆する。世間一般の説明はその因果を正しく説明していないので私はそれらの説明に説得力を感じない。

チャートにおけるそれまでの値動きがもたらす影響力を考えると私の説明の意図は明らかだ。ダウ理論における高値安値の切り上げがあったとき、その押し安値や戻り高値、また最安値や最高値は重要なネックラインとして機能する。すなわちそれまでの値動きがその先の値動きに大きな影響を及ぼしているということになる。これはトレンドの波そのものにも言える。


この波を見ればわかりやすい。黒いトレンドラインで作られたチャネルを基準にこの波をみれば、赤ボックスの下抜けが青ボックスの上抜けを示した事例だ。上抜けしたまま超えていくのではなく、一度チャネル内に復帰している。このようにそれまでの値動きがその後の値動きを示唆することがある。
私はチャートにおけるフラクタル構造を再定義する。

過去の値動きが未来の値動きを示唆する時、その波形が類似している事象をチャートにおけるフラクタル構造と認識する。今後私がチャートにおけるフラクタル構造について話す時は基本的にこの定義に基づく。

チャートにおけるフラクタル構造は奥が深く、トレンドの形成にも深くかかわっているので研究の余地が大いにある分野だと考えている。

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波の完成形を見たい波形トレーダー

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