チャートパターンを考える時、たいていの人はこの形のチャートが出たら行き先が分かると思っている。Wトップが出たらその後は下落する。Wボトムが出たらその後は上昇する、と。
これはある意味で正しく、ある意味で間違っている。チャートパターンによって波が生まれるのではなく波によってチャートパターンが生まれるからだ。
下記の2つのwボトムを元にして考えてみる。
Wボトムはその等倍の位置が到達点となる。私は等倍を1つの決裁位置候補にする。
前回の内容を踏まえて5波動目に現れた2つのWボトムを見る。
5波動のあとさらに続くのか転換するのかを見極めなければならないが、ここで重要なことはチャートパターン(波の雛形)は基本的に支配波を超えないということだ。
赤のWボトムも青のWボトムもその等倍200%位置を見ると、直前のトレンドの最高値を超えていないことが分かる。つまり等倍を超えた上でさらに上のネックラインをも一気に超えるという妄想は厳に慎むべきである。
そして前回の記事の通りリズムの悪い波に乗ろうとするとその後に現れる調整によって精神をすり減らされるものである。
仮に赤いWボトムを信じてエントリーしたとしても青いWボトムの底値を見ると赤いWボトムの底値に迫ろうかとしている。エントリーしていなければ落ち着いてみていられるがエントリーしているとしたらとても気が気ではないだろう。
だから私は綺麗な波を待つ。それが私の条件の1つになる。
先ほどの青いWボトムの右肩から始まる波の中で、1つ下の時間足にはオルトバットパターンが出ているが、これも161.8%も200%も直前のトレンドの最高値(赤水平線)を超えていない。
チャートパターンは支配波を超えないのだ。
波がチャートパターンを作る。チャートパターンが波を超えるならば、それはそのチャートパターンをはらんでいる大きな支配波の存在に気付かなければならないということだ。
しかしチャートパターンはその完成形が波の節目を捉えることが多い。だからパターン化されるような姿として現れる。正確に言えばパターンに合致しているから波の節目を捉えるのではなく、その時の波のリズムによって節目をとらえ、それがパターンとして顕現するのだ。この因果関係を覆してはならない。すべては波の動き方によって決まる。
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