愚か者のFX-3-

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トレードのさなか、何が私をトレードに執着させていたのか。何が私を欺いていたのかを知る必要があった。思い返すも心締め付けられるようなトレードの中にはこんなものがあった。

三尊天井からの売り局面を探していた時、三尊を見つけたと思ってその切り返しがネックラインに跳ね返されたことを確認して売りに出たのだが、それは売りサインでもなんでもなくただの調整局面だった。それなのに売れる所だと思い、条件不適合な三尊を信じ込んでずるずるとストップ位置をずらして最後に耐え切れずに手じまいした。

後になってこのトレードを振り返った時、なぜここで売ったのかが本当に不思議だった。買いで入ることを考えるべき局面だからだ。売りのサインなどどこにもないではないか。しかしこれが冷静さを失った者のするトレードの最たるものだった。今見ればどうやって捉えるべき局面かがよくわかる。

どうやら1つ上の上位足で水色の水平線のレンジと思ったらしかった。この水平線を一度上に飛び出して戻された三尊という認識らしい。

しかしさらに上位足をみれば緑水平線があるではないか。この局面で売りを考えることができるだろうか?波の推移をみれば安値と高値を切り上げているので方向は少なくとも緑水平線を上限とした買いサインを探すべき場面であった。

再び先ほどの時間軸に戻してみる。

黒水平線を上抜けているのだから方向は上のままだ。三尊天井はその三尊位置が全体の天井でなければならないので下落の三尊パターンとしての認識は間違っている。もし売るとしても水色水平線までの水色矢印の短期トレードか青斜線を抜けたことを確認して水色四角辺りからの飛び乗りである。

実際には緑斜線の下端から黒四角までを1波と見るのが適当で、赤チャネル上抜けて小さく押しがついた赤丸の辺りから乗るのが妥当なのだ。表示されている移動平均線も短期の紫、中期の緑、長期の水色はゴールデンクロスだ。一目見て分かることが見えなくなっていた。

ここで重要なことは単に目線を見誤ったということだけではなかった。売りを仕掛けたい、売るべき局面なのだというある種の強迫観念があって、どうしても目線を切り替えることができなくなっていたのである。欲望と幻想の世界がそこにあった。

波形を都合よく捉え、その波形の本来の力がそこに宿っていると思い込むとこのような凄まじいトレードをする。そして自分の信奉する波形の力を信じたいがためにストップを動かし続けて損失を拡大する。

このようなミスをしないためには、簡単にできるチェックリストを作るのも有効だ。怪しいと思ったらパソコンの画面を閉じるのも肝要だ。頭の中に一時停止のサインを強烈にイメージする訓練も必要だ。

そしてたとえ間違ったトレードをしたとしても、私はその過ちから学んで糧にすることができると自分自身に語り掛けることも大事だ。そうやって落ち着かせてから、これが避けられないミスだったのか、何も悪くないといえるトレードだったのかを検証すればいいのだ。

恐怖と興奮のさなか、いかに冷静でいられるだろうか。それはとても難しい。しかし自分にあった手法や準備を予めよくしておくことでこうしたミスは避けられるのではないかと思う。

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波の完成形を見たい波形トレーダー

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