ポジポジ病。FXをしていれば心当たりのある人もいるであろうこの病は実に厄介なものだ。
ポジポジ病とはいったいなんであろうか。
1つは損失を取り戻そうとして本来のチャンスではない所から無理にエントリーすることだ。もう1つは順調なトレードを継続していた時に、目線は合っていたもののエントリーできなかったチャンスを悔しがり、その後の小さなチャンスを過大評価してRRの良し悪しを踏まえずにエントリーすることだ。
つまり私は損失補填のためのトレードと機会補填のためのトレードの2つに分けられると思っている。
こうした病にかかると、正しい機会を待つということやエントリー条件への合致を精査するということができなくなる。これはトレーダーにとって言い換えれば死に至る病であると言える。
この問題はどうしても解決しなければならない。何がんでも解決しなければその後のトレード生命に破綻をもたらす。それをわかっていても解決できずに同じような誤ったトレードを繰り返ししてしまうのがこの病の恐ろしい病状である。
実際のところ、どのように解決すればいいのかを解き明かすことも困難を極める作業だ。
例えば自分の手法に照らしてその条件に合致するまでひたすら待つように自己へ語り掛けたり、そもそもチャートを閉じて時間をあけて自身を落ち着かせるといった方法が試せるが、これらは根本的な解決にはならない。もっと具体的な病理診断をしなければならない。
私の場合、ポジポジ病の症状としてはまず機会補填のトレードを発症してしまうことが割合として多いと感じる。つまりきっかけはチャンスを物にできなかったという後悔とそれを取り戻したいという欲望である。
では自分にとってのチャンスとは何か。ここから紐解かねばならない。
緑波5波からの下落は黒チャネル内のフラッグである。赤波のスイングでトレードして1波分のエネルギーを取るトレードができた。他通貨も似たような感じで3波を取るトレードができていたのでこの時点まではうまくいっていた。問題はここからの展開だった。
まず第一にフラッグという認識はあったものの、緑3波のネックラインへの50%押しを期待していた。この波が生まれるにはオレンジのチャネルへ角度変化しなければならなかった。その期待がフラッグのエントリポイントにできる1つめの青四角を見過ごさせていた。
この後の青水平線を抜けずに押しを付けて上昇しいった波も深押しの可能性を示唆しているように見えてしまった。本来はフラッグはフラッグ抜けがその起点のネックラインまでを1波としてそこからの押しを拾うのが王道なので、ここで抑えられたことはチャートの示す確かな押し目のサインであった。ここも乗れなったことでさらに病状は悪化していった。
2週間にわたってチャンスを逃したことによって機会損失の病状が如実に表れた。波の観測によって黒チャネルを引いている辺りが一旦の天井と認識することができたため、そこからのショートをしてしまった。しかしショートをするにも手順がある。
ひとつ目のショートは天井圏からの反発の下落を見込んだエントリーである。4Hレベルではなく15分足以下で見ていたと記憶する。おそらく5分あしか1分足だった。ふたつ目は1回目のトレードから反省して波の形成を見てからのエントリーだったが、ほぼ直近の波の底値からのショートでこれもまた不適切であった。しかもこの時は1度目の損失を補填したいという思いと損失を小さくしたいという思いからストップの位置も不適切だった。少なくとも緑波でパターン抜けすることを確認するのが最低条件であった。何も反省できていなかったのだが、もはやそこに冷静さはなかった。
このようなトレードを他通貨含めて同時多発的にしてしまったので損失も拡大した。しかしうまくいったトレードもあるにはあった。
ポンド円のショートは予め引いていた青い天井ラインへの反応を見てのショートで狙いも直近maまでとした堅実性のあるトレードだった。こちらも下降トレンドからの上昇に乗れなかったのだが、天井からのショートには成功した。ドル円との違いは天井圏ラインへの信頼性の差だったと認識している。
いいトレードと悪いトレードには明確に差がある。エントリーを決める理由には波のカウントやラインや値幅への反応の仕方を見ることによって判断をするのだが、ポン円はそれができていた。ドル円はそれができていなかった。ただ単に3波分のエネルギーポイントだけを根拠にして日足レベルへの深押しを期待するトレードをした。
これは根深い問題だと思った。普段ならできていることが全くできていなかったのだ。自分なりの手法を持っていてそれによって着実に利益を積み上げる方法を知っているにも関わらず、無駄なトレードをしてしまう。小さなチャンスを過大評価しそもそも乗らなくていい所、すなわち波の作り方を様子見すべき場面で無理にトレードしようとしたのだった。
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