愚か者のFX-13-

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トレードを止める時


トレードの止め時というのがなかなか難しい。
うまくいってる時は自分とチャートの波がうまく同調しているように感じる。
反対にダメな時というのは、自分ではいいエントリーが出来たと思っても損切りになるし、調子のいい時ならやらないような場面でいけると思って、その結果負けてしまう。
そういうことをずっと繰り返していると、それ自体が習慣化してしまって更なる悪循環に陥ることになる…、なんて考えるととても恐ろしいことだ。

以前の自分はそういう悪循環にさいなまれていた。
ダメだとわかっていてもやってしまうのだ。何度もそこから脱却しようと試みるのだが、ずっと失敗してきた。
しかし最近ではそれも少なくなってきたように思う。
止めるための努力というほどでもないが、対処法を探すべく本を読み漁ったり、赤色の回転灯みたいなものをPCの側に置いて、ダメなことをしそうな時にそれを押して、「ストップ!」イメージを行動に結びつけようと試みたりもした。
実際のところその回転灯が役に立ったことはなかった。いざ押したいときには回転灯が頭から消えていたり、あれはダメなエントリーだったと気づくのはたいていしばらくしてからだ。
ただ頭の中に回転灯の光るイメージは具体的に描けるようになったので、その点においてはブレーキをかけれるようになっているのかもしれない。

実際問題として自分にとってのトレードの止め時というのは、自分の思っている波動よりも大きな波動が現れた時だ。
後手後手で、ああこのスイングでここまで狙って動いているなということを少したってから理解するのだが、そういう時はもう自分は相場から離れた場所にいるのだと痛感する。
自分と波のリズムが崩れているのだ。こうした自覚を「強く認識した」ことでブレーキがかけられるようになった。

11月からのドル円の取引履歴だ。通算で521.8pips獲得できている。逆張りもしてはいるが、そういう時はローソク足1、2本前の最高値/最安値にストップを置くことが多いので比較的に損害は少なく済んでいる。
よいトレードというのはトレンドに乗っている時だ。波のリズムに合わせて収束しているところから拡散しているところへきちんと取り切れている。
天底はくれてやれの精神で、その中盤のおいしいところだけ頂くという算段なわけだが、これを繰り返すと利益が積みあがっていく。
相場と一体になっているという感覚がある。そしてこの感覚が崩れてくることを自覚するタイミングがある。

画像の黒切り下げライン下からのロングポジションを戻り高値付近で決済したあと、軽い押しからさらに続伸した場面だ。
この時に波の半分しか取ることができなかった。ネックラインまでで一旦止まり、もう少しMAに寄せるような押しを期待していたために乗り遅れたという場面である。
こういう形で見送る立場に立つと、「あれ?」と思うわけだ。自分はもうこの相場が読めなくなって、ブレイクからついていく俊敏性も失っているという感覚だ。
その後の天井からの売り仕掛けも、舞台はFOMCをまたぐトレードという場面で一般的にはリスクのある場面だが、自分の中では売れる形と見て入った。
その選択は正しかったが、深い下落となり、これも半分もとれずに終わった。黒水平線で一度止まると思ったが実際はそうではなかった。黒切り下げラインんへのリテストであった。

この2つのトレードを振り返って、自分はこの相場から外れたのだという自覚をするのである。
ここでムリに水色BOXの値動きを追いかけると損を重ねるだけで、よしんんばいくらか取れたとしても恐らく労力に見合わない結果になるだろうことを経験則でわかっている。
だからその週はそれ以降、今週はもうトレードしないと決めた。ここでこの決断をすることにはプロスペクト理論でいうところの損失回避性が働き、すでに確定している「利益の喜び」よりも「機会損失への恐怖」を強く感じる。
この恐怖に対抗するには、これまでのトレード履歴を自覚することで克服できる。ここでいう自覚とは頭の中でぼんやりイメージするのではない、視認することでの自覚だ。
自分は今この波に乗らなくとも、いくらでも他の波に乗ることができるのだという確信。
うまくやればこんなにもリズミカルな取り方ができる。相場と一体になっているという感覚の下でストレスの少ないトレードを実施できるという自覚。ありのままの自信。

これが抑止力になる。だらしない自分自身のやるせないトレードを封印する方法だ。
私がこの取引履歴を表示するインジケーターをわざわざ製作して頂いてまで取り入れた最大の利点はこんな所にある。トレードの振り返りと一言でいえば済む話だが、連続性のあるトレードの中から自分を肯定する材料を見つけたいのだ。

私はトレードの止め時を知っている。
私自身が相場とのズレを自覚した時、追いかけることを止められる。今この波に乗らなくとも次の波を待てばいい。
なぜなら私は自分が思うよりずっとうまくトレードできているからだ。(もちろん厳しく言えば個々のトレードの反省点は大いにあるがここではそれは重要ではない)
私にはチャートを読む能力がある。
ずっとチャートを見てきた経験則がきちんと私の相場観を築いていて、それは迷いの中でトレードの止め時を示す赤い回転灯になっているのだ。

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